「毎年きちんと確定申告しているのに、なぜか税金が高い気がする」――そんな悩みを抱える方は、所得税の確定申告で見落としがちな控除を適用できていない可能性があります。熊本県内の中小企業経営者や個人事業主、会社員の方に向けて、見落としやすい控除を厳選してお伝えします。
見落としがちな所得控除5選
①セルフメディケーション税制
ドラッグストアで購入した対象医薬品の年間購入額が1万2,000円を超えた場合、最大8万8,000円まで控除できます。通常の医療費控除(10万円超)に届かない方でも使える制度ですが、認知度が低く申告漏れが多い控除です。
②扶養控除の適用漏れ
扶養控除は「家族がいれば誰でも無条件で使える」わけではありません。以下の要件をすべて満たす必要があります。申告前に必ずご確認ください。
【扶養控除の適用要件(すべて満たすこと)】
- ①対象となる親族であること:配偶者以外の親族(6親等内の血族または3親等内の姻族)、里子、養護老人が対象です。配偶者には別途「配偶者控除」があります。
- ②生計を一にしていること:必ずしも同居は不要ですが、仕送りや生活費の負担など、経済的なつながりが必要です。
- ③年間の合計所得金額が48万円以下であること:給与収入のみの場合、年収103万円以下が目安です。パート・アルバイト収入がある場合は必ず確認が必要です。
- ④年齢が16歳以上であること:15歳以下(年少扶養親族)は扶養控除の対象外です(児童手当の支給対象のため)。
- ⑤事業専従者でないこと:青色申告・白色申告の事業専従者として給与を受け取っている方は対象外です。
控除額は年齢区分によって異なります。大学生世代(19歳以上23歳未満)の特定扶養親族は63万円、70歳以上で同居している老親等は58万円と節税効果が大きい控除です。
⚠️ よくある誤解:親を「扶養に入れている」と思っていても、親の年金収入が65歳以上で158万円超(65歳未満は108万円超)の場合、合計所得が48万円を超えるため扶養控除の対象外になります。思い込みで申告しているケースがありますので、毎年必ず要件を確認しましょう。
③雑損控除・災害減免法
熊本は台風・豪雨被害が多い地域です。自然災害や盗難による損失は雑損控除の対象となりますが、申告を忘れているケースが少なくありません。
会社員でも確定申告で取り戻せる控除
④医療費控除(家族合算)
生計を一にする家族全員の医療費を合算できます。年間10万円(所得200万円未満は所得の5%)を超えた分が控除対象です。例えば、医療費が年間15万円なら課税所得から5万円を差し引ける計算になります。
⑤寄附金控除(ふるさと納税以外)
認定NPOや公益法人への寄附も所得控除または税額控除の対象です。ふるさと納税のワンストップ特例を利用しつつ、他の寄附金控除を申告し忘れるケースが目立ちます。
計算例:控除の適用で税額はどう変わる?
課税所得400万円(税率20%)の方がセルフメディケーション税制で3万円の控除を受けた場合、所得税は約6,000円、住民税は約3,000円、合計約9,000円の節税になります。小さな金額に見えても、複数の控除を積み重ねれば数万円単位の差が生まれます。
まとめ
- セルフメディケーション税制や扶養控除の適用漏れは特に多い
- 家族分の医療費合算や災害損失の雑損控除も忘れずチェック
- 複数の控除を正しく適用するだけで、年間数万円の節税につながる
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